トリップラーの運営とアクセサリーブランドBelle Lune (ベル ルネ)のデザイン、作成、販売、経営代表。
私と夫と一人娘の3人暮らし。近所のおいしいごはん屋さんから、国内・海外旅行まで思い立ったら出かけるフットワークの軽い家族です。私、かなり天然な為、家族は私の言動にいつも腹を抱えて笑います・・・
自然が好きで、体を動かすことも好きなので、海や山にも出かけますが、美味しいものを食べ歩くのも大好きです。行ってみたい場所、見てみたいものがたくさんあります。好奇心旺盛なので常に知らない世界に飛び込む事にワクワクします。
テレビ東京で2019年7月に放送された、「ウルトラハイパーハードボイルドグルメ」という番組。
ジャンルはいわゆるグルメ番組のくくりですが、「世界のやばい奴らの飯を取材する」をテーマに、
普段、絶対に立ち入らないであろう場所や人を、そのままに見せてくれます。
それにしても・・・彼らの食事を見せてもらうという着眼点がすごい!
生まれた環境や生き方や価値観がどんなに違っていても、
人間生きている上で「食べる=楽しみ」は共通
なんじゃないかなと感じます。
世界のやばい奴らの飯に密着し、時には食べ物をひとくち分け合う事で、
彼らの生活や心情を赤裸々に伝えます。
その中で、今回取り上げたのは、ケニアのナイロビのゴミ山で暮らす、
18歳の青年ジョセフの飯でした。
私が知る中では、今、地球上で最も過酷な環境に身を置くジョセフの生活。
彼の生活や心情を知り、彼らのような人々に未来を与える為に、
私達が、今、できる事を知って欲しいと思います。
なぜなら、私は「誰もが生れた環境に左右されず、自身の力で自分の人生を切り開いて行ける社会」を目指したいからです。
現実を知ることが変化を起こすきっかけとなり、私たちは、自身の意思で行動する事が出来ます。
私、ひとりの行動は小さなモノでも、ひとりひとりの小さな行動が重なる事で、
やがて社会を、世界を変化させていくのだと思います。
1 ダンドラのゴミ山で暮らすスカベンジャーとは
「スカベンジャー」とは屍肉、腐敗した有機物、糞便を食す、ハゲワシやハイエナなどの動物です。
また、腐肉食動物以外にも、ゴミを漁って生計を立てる人間を蔑みの意味を込めて、
「スカベンジャー」と呼びます。
ケニアのナイロビはアフリカの中でも最も急速に成長している都市です。
そのナイロビから30分ほど東に行った所に突如現れる巨大なゴミ山、「ダンドラ・ダンプサイト(ゴミ集積場)」があります。
敷地面積が約46ヘクタールもあるこの広大な土地には、ナイロビ全土からありとあらゆるゴミが集められて来る、国内最大級のゴミ最終集積場。
ゴミ集積場の周辺にはトタン屋根が密集するスラムが形成され、スラムからゴミを求めて集まって来るスカベンジャーは1日3000人以上と言われています。
ゴミの権力争いをめぐって殺人事件も起こる、ダンドラエリアと呼ばれるこの危険地帯の、そのど真ん中のゴミ山に暮らす人間がいました。
2 ナイロビ・ダンドラのゴミ山で暮らす18歳の青年ジョセフの生活
ダンドラゴミ集積場は腐敗した生ごみが埋まる沼であり、そこかしこで自然発火したゴミが黒い煙を放っています。
凄まじい悪臭が漂い、そこに1日いるだけで肺をやられてしまいそうです。
実際に、ダンドラゴミ集積場では、水銀やヒ素などの化学物質汚染が深刻です。
ダンドラで飼われる豚の血中鉛濃度は一般の35倍というデータがあります。
ダンドラでゴミを食べて育った豚を食べさせてくれる店もありますが、店主も客も「汚染なんて全くない。」と言いながら肉をほおばります。
塵肺、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫などの人体への健康被害を引き起こすとされ、
日本では1975年使用禁止となったアスベスト。
ゴミ山の中で暮らすジョセフが寝泊まりする、彼の家、”洞窟”。
彼が作った洞窟はゴミに浅い穴を掘り、屋根は、アスベストで覆われています。
【ジョセフの一日】
7:00 起床
8:00 ゴミ山でゴミを漁る
9:00 市街地へ行くゴミ収集車に乗り、ゴミの収集を手伝う代わりにゴミを集めさせてもらう
17:30 ダンドラゴミ集積場へ戻る
18:00 集めたゴミをお金に換え、食料を買う
18:30 火を起こす
19:00 食料を調理して、今日初めての食事にやっとありつく
彼は絞り出すように苦しそうな咳をたまにします。
雨に濡れた後は、胸が痛むので、自分で起こした火で体を温めます。
そして、ハエが舞い散る、洞窟の中で今日も眠りにつきます・・・
3 7つの質問からわかるジョセフの人柄に惹かれる理由
今回、ジョセフに密着した、日本人のディレクターさんが、鋭い、様々な質問を投げかけます。
その質問の回答すべてに、18歳の青年ジョセフの聡明な賢さと、温かく優しい人柄が垣間見られます。
3-1 質問① どうやってお金を得ているの?
3-2 質問② どうしてゴミ山で生活することになったの?
両親はとても貧しくて養えず、食べるものをさがしてダンドラゴミ集積場に来たんだ。
14歳から4年間ここに住んでいる。
家族の事について聞かれると、うつむき加減になり黙ってしまいます。
今にも泣き出しそうになるその顔は、小さな少年の様です。
3-3 質問③ お金持ちをどう思う?
お金持ちは、貧しい人を助けるべきなのに、そうはしない。
でも、お金持ちじゃなければ貧しい人を助ける事は出来ない。
”そう、お金持ちって私達の事でもあるんだよね。”
3-4 質問④ 日本語を勉強したい理由は?
ディレクターさんに同行した日本語の通訳、ケニア人の「ディボゴ」さんに、ジョセフが話しかけました。
3-5 質問⑤ ココの生活をどう思う?
答えるまでにかなり沈黙がありました。
どう答えたらよいか自分自身の心に問ているようでした。
3-6 質問⑥ 未来(例えば君が23歳・・・30歳・・の時)どうなっていたい?将来の夢は?
ガールフレンドはいるの?
いないよ。
いつかプレイステーション屋さんを開きたいんだ。
※アフリカでは家庭用ゲーム機が1台あれば、客を取って、プレイ代で稼げるそうです。
「奥さんと子供が欲しい」と言ったジョセフの口から白い歯がこぼれて見えました。
彼が自身の未来を思い描き、微笑んだ瞬間でした。
私達が望めば当たり前に手にする事のできる未来・・・
でも、それはジョセフにとって、思い描き、欲する未来。
3-7 質問⑦ あなたは今、幸せ?
・・・あなたに会えたから、今、幸せだよ。
こんな風に言われたら、どう感じますか?
・・・彼は、明日生きているかわからない環境に身を置き、今、この瞬間を生きている・・・
だからこそ、彼の言葉が私に、強く強く突き刺さります。
ナイロビには彼と同年代、あるいはさらに年端も行かない孤児が路上生活を送っている光景は珍しくありません。
大多数の子供達は、物乞いをし、時には人から金銭を奪い、食べ物を買ってお腹を満たすよりよっぽど安上がりなので、シンナーを吸って空腹を紛らわしています。
しかし、ジョセフは物乞いや奪う事はせず、有害な煙を吸って肺を病み、ゴミの洞窟でハエと共に眠りにつく、ゴミ山の極貧生活を自身で選択しています。
どちらが良い悪いではなく、共通する事、それは、彼らの誰一人、望んで路上生活を選んだ人は居ないでしょう。
けれど、凄まじい環境を自身で選んで生きる、ジョセフの生きざまは気高く聡明で本当に美しいと感じます。
4 世界の課題を解決する2030年までの目標「SDGs」を知ろう
皆さんは「SDGs」を知っていますか?
SDGsとは、一言でいうと「2030年迄に世界中の課題を、世界中で解決するための目標」であり、
17の目標と169のターゲットで構成されています。
さて、今回ご紹介した、国でも処理のできない巨大なゴミ山や、そこで暮らさざるを得ないスカベンジャーの生活の問題は、「SDGs」の中でも、複数の項目が当てはまります。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
6. 安全な水とトイレを世界中に
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
5 「SDGs」を知ることで、今、私達が出来る事はなんだろう?
今回ご紹介した巨大ゴミ山の問題は、私達人間が出した負の遺産です。
国の経済が急成長し、物質的な物が増え、人々の生活が便利になる一方で、使った後の物の処理が追い付かず、膨大な量のゴミだけが行き場を失っています。
さらに急成長を遂げた都市と共に、そこに暮らす人々にも大きな貧困の格差が生まれます。
ゴミ山に暮らさざるを得ないスカベンジャーの中には、小さな頃から生計を立てる為にゴミ山に通い、学校へも行けず、ゴミ山以外の世界を知らず育った人もいます。
そんな人間が生み出した様々な社会問題を解決する為、私達にもできる事がたくさんあります。
”【世界の転換期】物質から心の時代へ突入する今、私達に出来る事を知ろう!”をご覧ください。
6 まとめ
ゴミ山にかかる大きな大きなダブルレインボー(2重の虹)の中に、ジョセフはいました。
腐肉食動物や蠅が飛び回るゴミ山の悲惨さと、
虹の美しさが・・・
まるで対照的で・・・
圧倒的な格差を・・・・・
悲しみを感じます・・・・・
虹を美しいと感じる心は同じなのに、
私達の生活とは想像絶するほどの違いのある過酷な人生。
同じ地球という星に生まれた、同じ人間。
だけど、生まれた場所によって、人の人生が決まってしまう現実があります。
「誰もが生れた環境に左右されず、自分自身の力で自分の人生を未来を切り開いて行ける世界(社会)。」
その為に、今、私にできる事を考えています。
ポジティブマインドTRIPLER代表「ERIKA」
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だけど僕は、ゴミ収集を手伝う代わりに、市街地を回るゴミ収集のトラックに乗らせてもらい、効率的にゴミを取らせてもらう。誰よりも先に集められるから。
トラックが来るまではゴミ山でプラスチックと金属を拾う。
重さで値段が決まるので、かさばらず重いものを選んでいるんだ。