フィリピンで紙を食べる子供と出会い誕生したジュエリー「Belle Lune」

1 フィリピンのダバオで、紙を食べる子供に遭遇

東南アジアのフィリピンは若年層が多く、発展途上国の中でも最も勢いのある国と言われています。

特にミンダナオ島の首都ダバオは、一年中あたたかい陽気で、海や空はまぶしいほどに限りなく美しく、フルーツや天然資源も豊富なとても恵まれた場所です。

そんなフィリピンのダバオに、私は当時6歳になったばかりの娘と二人、英語留学に訪れました。

2013年10月から2014年3月までの約半年という長期滞在は、旅行者というより、そこに暮らすという生活を送りました。

当時の私は、人生の岐路に立たされてました・・・

前夫の、私の妊娠中からの度重なる女性問題や、金銭問題、モラハラ発言により、

何年も離婚を考えながらも、

パパが大好きな娘の事を思い、

自分の気持ちに蓋をしてずっとずっと生活をしていました・・

・・・

・・

そんな折、私の母が突然、57才で自らの命を絶ちました・・・

しかも、私自身が第一発見者に・・・

とっても暑い初夏の日、

母を見つけた私は、

全身の血が凍った様になり、

息や身動きが出来ず動けず、

ずっと震えていた感覚が未だに鮮明に思い出されます・・・

精神的にボロボロな状態・・・

意識はしていなかったけれど、

潜在意識の中では、

改めて私自身の人生を見つめなおすきっかけを求めていたのだと思います・・・

・・・・・

そんな当時の私にとってダバオでの生活は、自然の美しさや、人々の優しさから、癒しと活力を与えられ、私の生き方の価値観を180度変えくれる経験となったのです。

フィリピンに来て最初の衝撃・・・

それはこの世のものとは思えないほどの自然の美しさでした!

私達が到着してすぐの週末、学校が主催するダイビング&シュノーケリングに娘と参加しました。

港から船が出て、絶好のシュノーケルスポットに連れて行ってくれます。

途中、ところどころ、無人島のビーチに立ち寄るのですが、

そのビーチの奥に広がる海のグラデーションといったら・・・

それまで見たどんな海とも違う・・

信じられないほど美しい光景が広がっています・・・

シュノーケルしたり、ビーチで貝を拾ったり、ひたすら海で浮かんでみたり・・・

思いっきり遊ぶとお腹はペコペコ!

無人島にも立ち寄り、バナナの皮でくるまれたランチを頂きます。

そして、ひとしきり遊び、船に乗船して島から港に帰る、夕暮れ時のこと・・・

船の甲板で寝転んでいると、

雲の切れ間から、

幾筋もの光が海に差し込み、

海がまぶしいほどにキラキラ輝くさまが見えました・・・

それは時間と共にゆっくりと、

明るい太陽の光から、

優しい夕日の光に色を変え、

空から海へと無数の光が降り注いでいます・・・

天国みたい・・・

もしかして、母が今いる天国ってこんな所なのかな?

と、ふいに母の事を思い出しました。

とても繊細な母にとって、この世はとても生きづらかった・・・

そして神様はそれを全て分かっていたから、母の命は少し早く天に召されたんだろうな。

そんな思いと共に、涙がとめどなく流れました。

母の死が腑に落ちると共に、温かな光が心を包み込まれ守られているような感覚・・・

涙を流し切ると、とても清々しくすっきりした気分になったのでした。

それは、フィリピンの美しい自然に触れて、私の心が癒された瞬間でした。

フィリピンの英語学校では様々な国から英語を勉強するために人々が訪れていました。

どんなに社会的地位が高くても、どんなに資産を持っていても、何も持ってなくても、ココでは、ただの人間。

その人の今までのバックグランドは全く関係なく、そこで初めて出会い、会話し、人柄を知ると共に、英語の勉強に励む仲間となります。

私が滞在した学校では、学校と寮が同じ敷地にあります。

そして、学校の食堂に併用された厨房で、フィリピン人スタッフが朝昼晩の食事を作ってくれます。

部屋の掃除と洗濯も週に3回フィリピン人スタッフが行ってくれます。

その為、私達は家事や自身の回りの世話に追われず、英語の勉強に集中できる環境が整っているのです。

初対面であっても、共同生活を送っていると、先生、生徒、その他のスタッフととても仲良くなります。

そう、フィリピンでの生活を一言でいうと

とにかく楽しい!!!

私の滞在中も、生徒や学校側が開催したイベントが盛りだくさんでした。

ハロウィンパーティー。

クリスマスパーティー。

ジャックスリッジという夜景がきれいな所に皆で食事に行ったり。

地元民が行く屋台が並ぶマーケットでドリアンを食べたり。

アルデビンコというお土産屋さんが軒を連ねた所に買い物に行ったり。

ある日、生徒の一人が計画をして、エデンネイチャーパークという高原に遊びに行きました。

学校からは距離があるので行きたい人を募って、ワンボックスカーをレンタルし、みんなで向かいます。

まるで大人たちの遠足の様!!

そこでは、乗馬やジップラインが楽しめます。

そしてレストランではオーガニック食材が食べ放題です。

私の娘が疲れ果てて寝てしまうと、子供好きな生徒さんはずっと抱っこしてくれました・・・

感謝です!

また、ある日は、生徒と先生の両方が入り混ざったビーチでの合同運動会も開かれました。

皆でバーベキューをしながら、用意した色違いのTシャツを着てチームに分かれ、ショート距離でのリレーや騎馬戦を行い、最後は上位数名に、景品が配られました。

大人も子供も年配者も男女関係なく、お腹がよじれるほどみんなで笑った一日でした。

 

暮らすように生活を送っているとフィリピン人の人柄や文化が自然と分かるようになってきました。

移動手段についてですが、私と娘は最初乗り合いでタクシーを利用していました。

しかし、慣れてくるとジプニーと呼ばれる乗り合いバスを利用しました。

ジプニーはタクシーより乗車金が安いので地元フィリピン人が利用します。

ジプニーのドライバーは、同じ距離でもたくさんの人を乗せて走るほど儲かる為、乗客は席にはぎゅうぎゅうに押し込められます。

降りるときは、屋根を「コンコン」とこぶしで叩くと止まってくれます。

降車の際、お金を払いますが、運転席から遠い所に座っている時は、乗車賃を他の乗客が手渡しで運転手に渡し、おつりはまた手渡しで戻ってくるのです。

目が合うと、微笑んでくれる、そんな、フィリピン人とのちょっとした会話ややり取りがなんだか温かくて楽しくて、私は好んでジプニーを利用していました。

フィリピンの家庭は5、6人の多子が珍しくありません。

特に収入に反比例し、貧しい家庭ほど子供が多い傾向があります。

大人は子共にとても優しく、子供も妹弟の面倒を見たり、家の手伝いを率先して行います。

食料は庭になる木から果物を採ったり、ニワトリを飼ってタマゴや、時にはニワトリを絞めて頂きます。

家族が助け合って生活をしている様は、まさに昔の田舎の日本のようです。

フィリピンに来て驚いたことのひとつに、なんでもお金が掛る事です。

船に乗って隣の島へ行くと、入島料やビーチ使用料を取られます。

日本人にとっては払えるお金でも、フィリピンの民間人にとっては決して安くはない料金。

そこで、フィリピン人は、いかにお金を使わず楽しむかがとても上手。

フリーWi-Fiを使い映画を見たり、絵を描いたり。

女の子は、音楽をかけて歌ったりダンスを踊ったり。

男の子は、簡単なゴールを作れば遊べるバスケットボールが大人気。

どれもこれもプロか?!ってくらい上手だったりします。

使い古した服を着ていても、大人も子供もみんな目がキラキラ輝いているのです。

・・・・・

そう、フィリピン人の性格は誰もが底抜けに明るいのです!

・・・・・

スーパーに食料品を買いに行くと、レジでどんなに人が並んでいようと従業員はマイペースに仕事し、それでイライラするお客さんも居ません。

そのスーパーでは15時になると突然陽気な音楽が流れはじめ、全ての従業員が息を合わせ、とてもコミカルなダンスを踊り始めました。

最初は驚きましたが、私や娘も一緒にやろうと誘われ、目の前でお手本を見せてくれます。ニコニコしながら強弱付けて心から楽しそうに踊る姿を見て心がほっこりして笑顔になってしまうのです。

フィリピン人は日常生活を自分から楽しい事に変えて行くアイディアをたくさん持っているのです。

温かい気候の中暮らす、フィリピンの人達には「どうにかなるさ」が根底にあります。

明日、食べる為のお金が手元になくても、今、目の前に食べるものがあるならそれで幸せ。

日本人からすると、将来に対する計画性が無くてどうなっちゃうのって思う事もあるけれど、彼らはまさに、「今」を生きているのです。

・・・・・

そんな明るく優しい人柄が多いフィリピンでも、極貧困は珍しくありません。

フィリピンに来て数か月もすると、英語学校のフィリピン人の先生ととても親しくなりました。ある日、先生がダバオの街を案内してくれる事になり、夕方から夜にかけて行われる地元の人が集まるローカルマーケットに行ってみることに。

マーケットでは焼き鳥やなまずやバロックなどの屋台が並び、衣服のリサイクル品がワゴンに山積みになっています。

美味しそうな匂いも漂い、明るく活気ある場所に私も娘もワクワクです。

食材に虫が寄ったりしていますが、私はあまり気にならず雰囲気を堪能していました。

マーケットから少し離れて静かな通りを歩いていた時のこと・・

突然先生が歩みを止め・・・

そして震えた声で・・

Teacher Mhae
「Oh~,Pitiful(可哀想に・・・)。」

と・・・

なになに?

最初は真っ暗で何が起きているのかわかりません・・・

しかし、暗闇の中、よく目を凝らしてみると・・

私の娘よりも幼い2人の姉妹と思われる子供が通りに立っています。

彼女たちは、枝のような細い体に・・

服と呼ぶにはあまりにもお粗末なボロボロの布を身体にまきつけ・・

何日もお風呂に入って居ないのか・・

全身黒っぽく・・

暗闇に溶け込んでいて・・・

彼女たちの目だけがぎょろぎょろと目立ちます・・・

彼女達は空腹を満たす為なのか・・

手に持っている紙を口に入れては飲み込んでるのです・・・

・・・

・・・・

・・・・・

・・・・・・

先生も、私も、そして娘も、その場に立ち尽くし絶句・・・

Ariele
「ママ、パンあげたら?」の娘の声にはっと我に返りました。

そして、たまたま買って持っていたパンを、娘と一緒に姉妹に手渡しました。

Erika
「パンだよ。食べて食べて。」

と声をかけていると、暗闇から母親らしき人が何か叫びながらこちらに向かって来た為、私達はその場を離れました。

娘は後ろを振り返ってその後の様子を見ていたようで、

Ariele
「ママ、私達が行った後、お姉ちゃんは食べず、妹に食べさせていたよ。自分もお腹空いてるのに偉いね。」

と言っていました。

その時、一緒に居た先生は、

Teacher Mhae
「彼女達にお金をあげてはいけない。」

と言います。

何故なら・・・

Teacher Mhae
「私達の国はドラッグを持っている。お金で食べ物を買えばすぐ無くなるが、ドラッグは少量で満腹感を与えてくれる。大人も子供も危険だと解っていてもお金でドラッグを買う。」

という理由・・・

同じ子供であっても・・・

生まれた国が違うというだけで・・・

生きて行く環境が全く違うという事実・・・

愕然としました・・・

・・・・・

 それから私は、フィリピンの貧困に苦しむ子供に対し、私自身で何か出来る事はないかを帰国後もずっと考えていました。

 ミンダナオ島の首都ダバオでは良質のパールが比較的安価に手に入れられます。

そこで思いついたのが、フィリピン産のパールでアクセサリーをデザイン、作成し、日本で販売してみる事でした。

「Belle Lune(美しい月)」というブランドを立ち上げ、パールを使いジュエリーを制作。

地域のマルシェに参加し、路面店に置かせてもらったり、ネットでも販売し始めると、少しずつファンの方が増えて行きました。

そしてブランド立ち上げ当初より、アクセサリー売上の一部(約10%)を

<MGO法人MCL(Mindanao Children’s Liblary)―ミンダナオ子供図書館―>

というフィリピンの子供を支援する団体へ寄付しています。

私がサポートする【MCL(ミンダナオ図書館)】とはフィリピンのミンダナオ島で、地域の村に入って絵本の読み聞かせ活動、医療支援、就学支援、保育所支援、子どもシェルター、難民救援活動、植林活動等を行っています。

私が、たくさんある団体の中でMCLを支援先として選んだ理由・・・それは、MLC創設者の考えに共感したからです。

MLC立ち上げのきっかけ

MLCを始めたきっかけは2003年テロリスト掃討作戦で空爆まで含む戦闘が起きた。

死体を埋める暇も無く河に流し、膨大な避難民が出た。

何よりも悲しかったのは、どんな時も快活なフィリピンの子どもたちが、まったく笑顔を失っているどころか、表情すらないことだった。

何か僕に、出来ることはないだろうか。

そう思ったときにとっさに浮かんできたのが、

「本の読み聞かせ」だったのだ。トラウマを癒し元気を取り戻してほしい。

その思いがMCLを立ち上げるきっかけとなった。

Erika
【MCL(ミンダナオ図書館)】についてさらに知りたい方は、

「【世界の転換期】物から心の時代へ突入する今、私達に出来る事を知ろう!(随時更新)」

記事から詳細をご覧ください。

私もフィリピンで紙を食べて空腹を満たす幼い子供を目の当たりにしてから、何か出来る事はないかをずっと考えていました。

本で生活していると、フィリピンでの出来事は、夢の様に感じられる事がありますが、まぎれもなく私の目の前で起きた現実であり、今も貧困に苦しむ子供達は存在します。

フィリピンの貧困を何とかしたくて、立ち上げたパールアクセサリーブランド「Belle Lune」。

皆さんがお求め頂くBelle Luneのアクセサリー売上金の一部は、MCLに寄付され、フィリピンで貧困に苦しむ子供達に、食事や安全や住まいの提供、あるいは教育の機会を与える支援に繋がっていきます。

アクセサリーを手にした方にHappyな気持ちをお届けし、皆さんのお陰でフィリピンの貧困の子供達を笑顔にできる・・・

この幸せのループ(繋がり)をこれからも大切にし、心を込めてアクセサリーを制作していきます。

貧困の負の連鎖を断ち切り、国の現状を変えていくのは、未来を作っていく子供達です。

私たち一人一人の小さな行動力が、やがて世界を変えるのだと信じます。

私はフィリピンを訪れた事でたくさんの気付きを得ることができました。

どうして、こんなにも物資に恵まれた日本の若者の目は死んでいて、

ボロボロの衣服を来たフィリピンの子供の目はキラキラしているんだろう?

人はモノでは本当の幸せは感じ得ないんだなぁと・・・

・・・・・

・・・お腹いっぱい食べられること

・・・教育が受けられること

・・・雨風しのげる家があること

・・・安心して眠れること

・・・健康に一日を過ごせること

・・・大切な人が側にいること

日本での当たり前の日々が、当たり前ではなく、奇跡であり、幸せに満ち溢れているのです

私に係わるたくさんの人々のお陰で、今の私がある事に心から感謝しています。

★今後のビジョンについて★

私達人間が本来幸せを感じるのはどういう時かというと、

ギブよりテイク・・・つまり人に何かを与えた時と言われています。

MCLでは訪問者の受け入れを行っています。(※2020年11月現在はコロナの影響で自粛中。2021年春以降受け入れ予定。)

訪問者は、MCLの現地での活動や、プロジェクトに同行する参加型ボランティアとなります。

今までの参加者の中には、心の悩みや人生の問題、生きがいの喪失、不登校や登校拒否、引き籠もり、家庭崩壊など、様々な心的困難を抱えた青少年もいました。

生れた時から当然のように整っている環境を与えられた私達日本人は、人に与える事で幸せを感じられるようです。彼らはMCLでの活動を通じて、とても感化されパワーを貰い帰国します。

今後は日本で、不要になった服や靴などをスーツケースいっぱいに詰めて行き、目の前で子供達に手渡す。そんなMCL訪問ツアーなども開催して行けたらと思います。

記事に共感してくださった方は、SNSなどでシェアしてくださると嬉しいです。

Erika
BelleLuneのアクセサリーについてさらに詳しく知りたい方は、

「パールアクセサリーブランド【Belle Lune】の7つのこだわり」

をご覧ください。

 

 

The following two tabs change content below.
ポジティブマインドTRIPLER代表「ERIKA」

ポジティブマインドTRIPLER代表「ERIKA」

トリップラーの運営とアクセサリーブランドBelle Lune (ベル ルネ)のデザイン、作成、販売、経営代表。 私と夫と一人娘の3人暮らし。近所のおいしいごはん屋さんから、国内・海外旅行まで思い立ったら出かけるフットワークの軽い家族です。私、かなり天然な為、家族は私の言動にいつも腹を抱えて笑います・・・ 自然が好きで、体を動かすことも好きなので、海や山にも出かけますが、美味しいものを食べ歩くのも大好きです。行ってみたい場所、見てみたいものがたくさんあります。好奇心旺盛なので常に知らない世界に飛び込む事にワクワクします。 ⇒プロフィールの詳細はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

ポジティブマインドTRIPLER代表「ERIKA」

トリップラーの運営とアクセサリーブランドBelle Lune (ベル ルネ)のデザイン、作成、販売、経営代表。 私と夫と一人娘の3人暮らし。近所のおいしいごはん屋さんから、国内・海外旅行まで思い立ったら出かけるフットワークの軽い家族です。私、かなり天然な為、家族は私の言動にいつも腹を抱えて笑います・・・ 自然が好きで、体を動かすことも好きなので、海や山にも出かけますが、美味しいものを食べ歩くのも大好きです。行ってみたい場所、見てみたいものがたくさんあります。好奇心旺盛なので常に知らない世界に飛び込む事にワクワクします。 ⇒プロフィールの詳細はこちら