松竹芸能所属・ピン芸人チュンちゃん。
大阪で舞台を中心に10年間活動するも、鳴かず飛ばずの日々。
そんなうだつの上がらない芸人人生を払拭する為なのかなんなのか?
2014年4月から、とあるイベントの罰ゲームにて世界一周の旅に出発!!
それまで海外になんてまるで興味のなかった男が、果たして無事に世界一周を成し遂げる事ができるのか…。
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誰しも人生において、「これを見るまでは死んでなるものか!!」と言った、死ぬまでに見たいものリストがあると思います。
スペインのサグラダファミリアにペルーのマチュピチュ、ボリビアのウユニ塩湖、、、とか。
勿論僕にもそんな「死ぬまでに見たいもの」リストがたくさんあるわけでして、
メガマウスザメ
シロナガスクジラ
球体になってゲレンデを転がる人。
長澤まさみ
ほろ酔いの長澤まさみ
嫌々ながら王様ゲームに興じる長澤まさみ
王様からの指令を受けて「ちょっとー勘弁してよー」なんて言いながらも、ついついベロチュウしちゃう長澤まさみ。
などなど。
今回はそんな僕の、死ぬまでに見たいものリストの中でも常に上位にランクインしていた、
アリバダ「ウミガメの一斉産卵」を実際に現地に行って見てきましたので、
良かったら是非ご覧になって下さい。
アリバダって何?
アリバダとはスペイン語で「到着する」という意味で、地球上の限られた海で、限られた期間にのみ発生する、ヒメウミガメの一斉産卵の事を言います。
どこで観れるの?
世界でもコスタリカで2箇所、メキシコで2箇所、ニカラグアで2箇所、パナマ、インドで1箇所ずつの、計8箇所でしか確認されていないアリバダ。
そんな希少なアリバダを観察できる場所の中でも最大規模を誇るのが、
『コスタリカ・オスティオナル』
コスタリカ共和国のグアナカステ州にある太平洋岸の非常に小さな村。
最初このオスティオナルの村にバスで到着した時は、人っ子一人歩いていなかったので、もしかしてこの村は牛と変な顔をした馬に支配されているのではないかと思いました。
マジでそのぐらい何もない場所。
スーパーや銀行なんてものも皆無で、あるのは数件の宿と、宿に併設されたレストラン、そして個人経営の小さな商店が2店舗ぐらいのみ。
しかしそんな何もない村にあるビーチでは…
思わず息をのんでしまうぐらいに美しい夕日が観れるのです。
そして、普段はこのようにわずかばかりのサーファーや漁師達、そして村の子供達が遊ぶビーチなんですが、ある時期が来ると、毎年100万頭もの数のヒメウミガメ達が一斉に産卵をしにやって来るのですから驚きですよね。
アリバダを観れる時期は?
オスティオナルでは、毎年8月から11月の下限の月(新月の数日前)の三日前後に発生すると言われておりますが、確実ではなく、それらはまさに神のみぞ知る、いや、亀のみぞ知る生命の神秘と言ったところでしょう。
なので、オスティオナルのアリバダを観に行かれる方はスケジュールに余裕を持って行く事を強くお勧めします。
ちなみに僕は少しフライングをして、7月の下限の月の1日前にオスティオナルに到着しましたが、一週間待ってようやく見る事ができましたよ。
高額なツアーに参加せずに自力で観に行く方法。
オスティオナルのアリバダを観に行くには、日本からのツアーや現地のツアーに参加すると言った方法があるのですが、どれもツアーに参加するとかなりの高額になってしまいます。
おそらく日本からのツアーだとコスタリカまでの航空機代抜きにしても30〜40万はくだらないと思います。
なのでここでは現在もリアルタイムで世界一周の旅を続けている(2017年5月現在)バックパッカーである僕ならではの、自力でオスティオナルのアリバダを観に行く方法を紹介したいと思います。
その1
首都のサン・ホセのバスターミナルからバスに乗り、サンタクルスで下車。
サンタクルスからオスティオナル行きのバスに乗り換えるとあっという間に到着。
《サン・ホセ→サンタクルス》
・AM10時出発→PM14時30分着(4時間半)
・バス代5400コロン(約1100円)
《サンタクルス→オスティオナル》
・PM16時出発→PM18時着(2時間)
・バス代2645コロン(約515円)
その2
1の行き方が一番簡単でスムーズに行く事ができるのですが、日本の四国と九州を合わせたぐらいの大きさのコスタリカでは、
国土の1/4が国立公園や自然保護区に指定されており、地球上に住む全動物種の1/20がコスタリカ内に生息していると言われている、動物たちの楽園でもあります。
てなわけで、もちろん他の町にも見所(見るべき希少動物達)がたくさん生息しているわけでございまして、こちらでは僕が実際に行った、オススメの行き方を紹介したいと思います。
先ずは、首都のサンホセからモンテベルデへとバスで移動します。
《サンホセ→モンテベルデ》
・AM6:30出発→AM11:30着(5時間)
・バス代3000コロン(約590円)
モンテベルデでは、ナマケモノや世界でもここでしか見れないようなカラフルなカエル達、そして何と言ってもあの、天才手塚治虫先生が書いた不屈の名作、「火の鳥」のモデルとなったと言われている伝説の鳥、ケツァールを見ることができるのです!!
出典:http://www.otromundoesposible.net/fauna-latinoamericana-2/fauna-latinoamericana-el-sagrado-quetzal
ナマケモノは時期が違ったようで僕は見ることはできませんでしたが、カラフルなカエル達と、ケツァールはしっかりと拝むことができ、大満足でモンテベルデを後にしたわけなんですが、上記の地図にも記した通り、モンテベルデからオスティオナルに向かうためには、計5回もローカルバス(内一回はタクシー)を乗り継いで向かわなければならなくて、なかなかの地獄でした。
①サンタエレナ(モンテベルデ)→ティララン
・7:00am発→9:00am着
・バス、900コロン(約172円)
②ティララン→カニャス
・9:30am発→10:00am着
・タクシー2人で10500コロン(約2016円)
↑バスでも行けるみたいなんですが、僕は時間がなかったのでタクシーを使いました。
③カニャス→リベリア
・10:00am発→11:00am着
・バス、1450コロン(約278円)
④リベリア→サンタクルス
・11:00am発→12:00pm着
・バス、940コロン(約180円)
⑤サンタクルス→オスティオナル
・12:30pm発→14:00pm着
・バス2645コロン(約515円)
かかった費用は?
交通費:約3,600円(首都のサン・ホセから計算してます)
オスティオナルでの宿泊費(計8日の滞在):約10,730円(一泊12ドルでした。)
宿泊した宿:CABINAS OSTIONAL
・トリプルルームを2人で使わせてもらって1人1泊12USドル
・シャワー(水)、トイレ部屋付き
・ファン
・Wi-Fi有(なかなか速い)
・トイレットペーパー有
・手洗い洗濯可
・キッチンなし(少し料金が高めの離れみたいなところにはキッチンがありました。)
・宿の人はスペイン語のみ。
アリバダ見学代:1100円(10ドル)
本格的なアリバダが始まると、現地のツアーデスクに行き、現地ガイドを申し込まないとオスティオナルのビーチに立ち入ることすらできません。なのでこの出費は必須です。
以上、
合計:15,430円
ちなみに食費は含んでいませんが、僕は基本的に自炊セットなどを駆使してやり繰りしていたので、そんなに食費にはお金がかからなかったと思います。
まぁアリバダを観れるまで死ぬほど暇だったのでしこたまビールは飲んでおりましたが。
アリバダを見るときの注意点!!
・夜は赤いライトが必須
アリバダが発生する時間帯は夕方から早朝にかけてなのですが、もし夜に見に行かれる方は下記の写真のような赤いライトが必須です。
というのも、白いライトは亀の目には強過ぎるので、アリバダの時は亀の目に優しい赤いライトを使わないといけないそうなんです。
なので、携帯のライトやヘッドライトのような明るすぎるライトで見に行くと現地の方から、きつく注意を促されるのであらかじめ用意しておくのが良いでしょう。
以上がアリバダを見る時に絶対に注意しておかなければならない点なのですが、一応他にも思いつく点があったので、さらっとだけ書いときますね。
・ウミガメを蹴飛ばさない。
・産卵を勝手に手伝わない。
・撮影したカメの目を大きくしたり、スノーアプリでウサギ耳をつけたりデコらない。
・アリバダ発生時にビーチで花火をしない。
・許可なくビーチでフランクフルトなどの屋台を出店しない。
・許可なくビーチでAVを撮影しない。
・カメの卵で卵かけご飯を食べない。
・カメを踏んづけて目の前にいるクッパを倒さない。
・カメが一生懸命産卵をしている隣で王様ゲームなどをしてベロチュウしない。
・産み落としてる卵の数を、「はい、いちー!にー!さんー!」とカウントして焦らさない。
涙を流しながら産卵するウミガメに、もらい泣き必須の観察!!
オスティオナル滞在7日目の早朝、ガイドの一人がマイクを握り、こう言いました。
ガイド「皆さん喜んでください。なんと、只今ビーチが全面カメで覆われています!!」
僕を含めた観光客達が歓喜の雄叫びをあげる中、さっそくガイドさんと共にビーチへと向かいます。
すると…
いつもだったら人間の足跡以外は何も付いていなかったビーチという名のキャンバスに、ヒメウミガメ達が描いたであろう軌跡の痕跡が!!
(ウミガメが卵を産んで埋めた跡)
よっしゃー!!間違いない!!
やっとや!!
やっと待ちに待ったアリバダが見れるぞ!!!
思い起こせば、オスティオナルに到着したばかりの頃、ビーチの入り口付近にこんな無数の穴を発見し、
ひょっとしたらウミガメが卵を産んだ穴とちゃうか!?と思い、覗いてみたところ、完全にウンコの匂いがして、それらがただの犬がウンコをして埋めた穴だった事に気がついた事も今や良き思い出です。
そうして期待に胸を膨らませ、やって来たその場所には…
おびただしい数のヒメウミガメが!!!
もう右見ても左見てもカメカメカメ!!!
ウミガメだらけ!!!
ここでさっそく産卵をする為に穴を掘ろうと奮闘する一匹のウミガメを発見。
両手両足を器用に動かし穴を掘っております。
こちらのカメはもう既にだいぶ深くまで掘れてる。
ビーチに上陸してからこの状態になるまでには、約1時間ぐらいの時間を費やすそうです。
フーフーと息を荒げ、鬼気迫る表情で穴を掘り続けます。
そうしていよいよ産卵の時。
下半身をズッポリ穴に沈め、
一個、また一個、ポトリポトリと卵を産んでいます。
30分以上の時間をかけて、すべての卵を産み落とします。
そんな産卵中のウミガメの表情は…
時に目から涙を流しながら…
とてつもなく苦しそうな表情で産み落とします。
ウミガメが卵を産む際に涙する理由は、ウミガメが海中を泳いでいる間に、体の中に入ってきた余分な塩分を、目から体外に流し出しているためだと書かれておりましたが、
実際に産卵中のウミガメを目の前で見ていると、どう考えても産みの苦しみ故の涙としか考えらません。
さらに、そんな卵を産み落とすだけでも必死なウミガメ達の心境を逆なでするように、隣では今まさに産み落としたばっかりの卵を狙って黒コンドル達が襲いかかります。
(ウミガメが産卵している横で産み付けられたばかりの卵を食らう悪魔黒コンドル)
まぁ黒コンドル達も生きる為に必死なわけで、それを人間の僕たちが否定する事は出来ないのですが、
こ奴等から醸し出される悪魔感だけは、どう考えても好きになれませんよね。
「我この海の覇者なり」と言わんばかりの表情。
嫌いやわ〜。
そりゃ、ウミガメだって涙の一つも流すはずです。
そんなウミガメ達を見ていると、こちらまで一青窈ばりにもらい泣き必須です。
因みにウミガメ達が何故、このような形で一斉産卵をするのかと言いますと、上記の黒コンドルや他の野生動物が卵や孵化した子ガメを食べたり、人間による卵の乱獲が原因で、子ガメの命は常に危機にさらされているそうで、少しでも卵を守る為、子亀の生存率を上げるために、ヒメウミガメ達は一斉に産卵をするらしいです。
なので、このアリバダはそんなヒメウミガメ達が子孫を残す為の意図的戦略だったというわけです。
しかし人間もそうですし、ウミガメも生き物すべて、子孫を残すってホンマに大変なんだと改めて思い知らされました。
中にはサケのように、産卵後力尽きて死んでしまう動物だっているわけですからね。
まさしく生死をかけた一大イベントがここにはありました!!
そんな風に感銘を受けている間にも、続々と新たなウミガメ達が産卵をしに、砂浜へとやって来ます。
すでに産卵を終えて海へと帰って行くカメと、これからやって来るカメ。
お互いどんな気持ちなんでしょうかね?
人間にはまるで理解できない事。
ただ一つだけわかる事は、
今まさに卵を産んでるカメも、
砂まみれになりながら、産卵しに行こうとするカメも、
途中で力尽きて、ズボッと砂浜に顔を埋めるカメも、
みんなそれぞれがこの海の主役だってこと!!
そうしてかなりの時間を出産に費やして、もう一度海へと帰っていくウミガメの姿は、
みんな最強にカッコイイってこと!!
足跡すらも、愛おしい…
こうして僕のアリバダは感動に包まれたまま終わりを迎えようとしていたその時でした…
突如僕の目の前に信じられないような光景が!!
悪魔降臨!!!
なんと産み落とされた卵を瞬殺で掘り返す悪魔達!!!
黒コンドルのことを悪魔なんて言っておりましたが本当の悪魔はこのオバハン達やったようです。
NEW サタン誕生!!!
てな事ではなくてですね、
どうやら、次々とカメが卵を産みにやって来るもんだから、先に卵を産んでいた場所でも次のカメが掘り返してしまい、それを鳥が食べてしまったりするらしく、
そうなる前に地元の許可を持っているボランティアの人達だけが、決められた時間帯に決められた数だけ卵を掘り返してもいいんだそうです。
そしてその掘り返した卵からくる収益は、地元の人達の大事な収入源になったり、今後もこのヒメウミガメ達を保護する為の費用に当てられたりするそうです。
なのでこの掘り返す作業も、
実はとっても大事な作業だったわけです。
おばちゃんすまんな。
悪魔扱いしてしまって。
てな感じでわずか1時間ぐらいの間でしたが、ウミガメだけではなくて、人間を含める様々な動物達のドラマ、自然の淘汰を見る事が出来た、感動のアリバダ見学でございました。
しかしながらウミガメの皆様、
本当にお疲れ様でした!!
まとめ
なかなか中米の中でもコスタリカを旅する方は少ないかもしれませんが、雄大な自然とそこに住む希少な動物達を見るだけでも一見の価値ありです。
治安も首都のサン・ホセのみ、ある程度気をつけていれば、他のモンテベルデや、オスティオナルは日本よりもはるかに安全で、海外初心者の方でも安全に旅をできる場所だと感じました。
なんといってもやはり今回記事にしましたアリバダは、何者にも代え難い唯一無二の思い出となると思います。
皆さんも日本での日常を束の間抜け出し、アリバダと言う非日常を体験してみてはいかがでしょうか。
それでは最後に貴重な産卵シーの動画をどうぞ!!!
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