一度は行ってみたい!水道橋の世界遺産9選

みなさん、水道橋って見たことありますか?
ジャイアンツの球場があるところじゃないですよ!

水を通すために造られた橋の方の「水道橋(すいどうきょう)」です。

日本にもありますが、日本のものはほとんどが近代的なもので、世界遺産に登録されるような古くから存在する水道橋を見たことがある人は少ないかもしれませんね。

水はいつの時代も日々の生活に欠かせないものなので、古来より世界中で水路や水道橋が発達してきました。

なので、もちろん世界遺産に登録された水路水道橋運河はたくさんあります。
そんな中で、今回は「水道橋」に絞ってご紹介させていただきます。

私の知る限り、水道橋の世界遺産は今回紹介する9つで全てのはずです!たぶん。

それでは、早速どーぞ!

水道橋の世界遺産

水道橋の世界遺産 ヨーロッパ地図

水道橋の世界遺産 メキシコ地図

一度は行ってみたい!水道橋の世界遺産9選

1. 世にも珍しい船で航行できる水道橋「ポントカサステ水路橋」(イギリス)

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ポントカサステ水路橋と運河(Pontcysyllte Aqueduct and Canal)は、イギリスはウェールズの北東、レクサム郡にあるトレヴァーの村とフロンカサステの村との間にあるディー川の上に架かる航行可能な水道橋と運河です。
運河の名はランゴレン運河、ディー川に架かる水道橋がポントカサステ水路橋です。

時代背景としてイギリスの産業革命が発展し始めたころ、この地域で採掘された石炭や石材などの天然資源を運ぶ手段が必要になったことが建設の大きな理由となりました。
水道橋は1805年に完成しましたが、このときはまだ自動車はもちろん鉄道すらない時代です。
なので、運河を航行する船の動力に使われたのは、なんと人力でした。
そのため、運河と水路橋の側には船を曳く馬や人が通るための道が整備されています。

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運河や水路を航行する船はナローボート(narrow boat)と呼ばれ、水路の幅に合わせて作られた横幅の狭い、細長い船です。

現在でも、水道橋は毎年1万艘以上ものナローボートが航行しています。
ポントカサステ水道橋はイギリスで最も高く(38メートル)、最も長い(307メートル)水道橋です。
幅は3.4m、深さ1.6mあります。

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水路橋は歩いて渡ることも可能となっており、
ポントカサステ水路橋は水路と歩道に分かれており、歩道を使って歩いて渡ることも可能となっています。
最初はナローボートに乗って渡り、次にゆっくりと水道橋からの景色を楽しみつつ歩いて渡るのがおすすめです。
ただ、水路橋の歩道側には柵がありますが、水路側には柵がありません。高所が苦手な方はちょっと怖いかもしれませんね。

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水道橋から眺める景色は、眼下に広がる緑や川などイギリスの壮大な自然を楽しむことができますよ。
水道橋から見下ろす景色も素敵ですが、地上から水道橋を見上げる景色もいいです。

イギリス産業革命時の最高建築の1つとして有名なポントカサステ水道橋、ぜひ見学に行ってみてくださいね。
ちなみに、冬は運休になっていますので注意が必要です。

2. 豪華絢爛な宮殿と庭園まで水を運ぶ「ヴァンヴィテッリの水道橋」(イタリア)

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ヴァンヴィテッリの水道橋(Acquedotto di Vanvitelli)は、イタリアのカンパニア州カゼルタ郊外のマッダローニにある18世紀に作られた水道橋です。
カロリーノの水道橋(王の水道橋の意味)とも呼ばれています。
世界遺産「カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョの邸宅群」にカゼルタ宮殿とサン・レウチョの邸宅群とともに登録されました。

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カゼルタ宮殿はベルサイユを凌ぐ宮殿をめざして建設された豪華絢爛な宮殿ですが、その庭園も宮殿に負けず劣らず贅を尽くし、120万㎡もの広大な庭園となっています。
庭園にある複数の泉、滝、噴水を維持するためには莫大な水が必要となり、そのために40km離れた山から水を引くための水路と水道橋が建設されました。

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その水道橋が、建築家ルイージ・ヴァンヴィテッリの設計によって建設されたヴァンヴィテッリの水道橋なのです。
ヴァンヴィテッリの水道橋は、全長529m、高さ55.8mの3層構造と巨大な水道橋となっています。

カゼルタ宮殿からは少し離れていますが、わざわざ足を伸ばして観に行く価値があると思います。
きっと「王の水道橋」と呼ばれる意味が、その荘厳さから感じ取れることでしょう。

3. 世界で最も高いローマ時代の水道橋「ポン・デュ・ガール」(フランス)

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ポン・デュ・ガール(Pont du Gard)は、フランス南部プロヴァンス地方ガール県のガルドン川に架かる水道橋です。
フランス語で「ガールの橋」を意味します。
水源のユゼスからニームへ水を運ぶための全長50kmにも及ぶ水路の途中、最大の難所とされたガルドン川の峡谷を横断するために建設されました。

およそ2000年前となる西暦50年頃に建設されたとは思えないほど、高度な技術で作られた水路と水道橋で、平均斜度は1kmあたりわずか24.6cm(34cmとする説もある)という驚異的なもの。
これは30mにつき1cmしか降下しないという傾斜を50kmに渡って続けるという、当時としてはとんでもない技術でした。

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水道橋は全長275m、高さ49mとローマ時代のすべての高架水道橋の中で最も高いものです。
ポン・デュ・ガールは下層、中層、上層の3層の橋となっており、それぞれがアーチ状の構造となっています。
また、上層にいくほど幅が狭くなり、かつ、石のサイズを小さくして強度を保っているため、建設から約2000年を経た今でも崩壊することなく存在し続けているんでしょうね。

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流水量は1日約2万㎥(3万~4万㎥という説もあり)で、水源から水が到達するまで27時間近くかかったと言われています。
6世紀ごろまで実際に使われていたそうですよ。

そんなローマ人の知恵結晶とも言えるポン・デュ・ガールを実際に歩くこともできちゃいます!
橋に登ってもパッと見では傾斜があるように見えません。
それもそのはず、橋全体でたったの2.5cmしか降下しないんです!すごい技術です!

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ポン・デュ・ガールは現在も建っている3層構造の古代橋で唯一のもの。
一生に一度は見に行きたいですね!
夜はライトアップされたり、プロジェクトマッピングが行われるイベントもあったりするようなので、そういうときを狙って行きたいですね。

4. 美しく巨大な姿から悪魔の橋の異名を持つ「セゴビアの水道橋」(スペイン)

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セゴビアの街は、マドリッドの北西95kmほどのところにあり、高速鉄道なら30分ほどのアクセスしやすいところにあります。
そんなセゴビアにはアソゲホ広場にあるローマ水道橋、ディズニー映画『白雪姫』に登場するお城のモデルとなった「アルカサル」や「セゴビア大聖堂」などの観光スポットがあり、「セゴビア旧市街とローマ水道橋」として世界遺産に登録されています。

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セゴビアの水道橋(Acueducto de Segovia)はその中でも最も古く、18キロも離れたフリオ川から水を引くため、2000年以上も前の紀元後50年ころに古代ローマ人によって建造されたと言われています。
全長813メートル、最も高いところで28.5メートル、167ものアーチから成る巨大な水道橋ですが、横幅はわずか2.4mしかありません。
上下2段のアーチ形の橋げたで支えられており、驚くべきことにモルタル、セメント、鉛などの接着溶剤は一切使われていません

水道橋は一時イスラム勢力に破壊されたこともありますが、19世紀の終わりまでは実際に使用されていました。
中央の橋脚の柱にある窪みには聖母マリア像が供えられています。

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セゴビアの水道橋は、別名「悪魔の橋」とも呼ばれています。
水汲みの仕事をしていた少女と契約した悪魔が一晩で造ったという寓話や、その圧倒されるような巨大さにとても人間が造れるようなものではない、つまり悪魔が造ったなどの話があります。

人間業とは思えないほどの技術、人々が恐れるほどの巨大な建造物、精巧で美しい水道橋だからこそ、そのような異名で呼ばれているんでしょうね。

5. 奇跡の水道橋「ミラグロス水道橋」(スペイン)

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ミラグロス水道橋はスペイン南西部のエストレマドゥーラ州バダホス県のムニシピオにある世界遺産「メリダの考古遺跡群」の一部です。
メリダの考古遺跡群は円形劇場、ローマ劇場など古代ローマ時代の29もの遺跡からなっています。

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ミラグロス水道橋(ACUEDUCTO DE LOS MILAGROS)は、全長約830m、高さ約25mもの巨大なもので、水源は約12kmほど離れたプロセルピナ貯水池で、約2000年前に建造されたと言われています。

現在の水道橋はアルバレガス川に架かっている部分が残っており、未だ完全に朽ちることなく立っていることから「奇跡の水道橋」と呼ばれています。

6. 悪魔の水道橋「ラス・ファレーラス水道橋」(スペイン)

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ラス・ファレーラス水道橋(Aqueducte de les Ferreres)は、円形劇場、凱旋門などとともに世界遺産「タラゴナの考古遺産群」に登録されています。
水道橋はバルセロナの南にあるタラゴナの街から北に15kmほど離れたフランコリ川からタラゴナまで水を供給するために作られたもの。
スペインの現存する水道橋では、セゴビアの水道橋に次ぐ大きさです。

それにしてもスペインは水道橋が多いですね。

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こちらもローマ時代の水道橋で上段と下段の2層構造となっています。

悪魔の水道橋」の異名がついたのは、当時の橋を作る技術では考えられないほど短い期間で建設されたためで、「これは悪魔の仕業に違いない」といわれたからだそうです。

7. ヨーロッパの技術とアメリカ先住民の文化の融合が造った「パドレ・テンブレケ水道橋」(メキシコ)

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パドレ・テンブレケ水道橋(Acueducto del Padre Tembleque)は、メキシコのメヒコ州とイダルゴ州に残る16世紀の水道橋です。
世界遺産としての正式名称は「パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム」で、水道橋以外にも水路、貯水タンク、水源なども登録されています。

水道橋は全長48.22km、最も高い部分の高度が38mで、一段構造の水道橋としては最も高い建築物のひとつと言われれいます。

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アメリカ先住民が用いていた「アドベ」と呼ばれる粘土とわらを混ぜた天然建材のレンガを使用しているため、ヨーロッパの水利技術とアメリカ先住民の優れた融合が高く評価されています。
テンブレケ神父の指導のもと、先住民の協力を得て建造されたため、「テンブレケ神父の水道橋」という名前が付けられたのです。

また、メキシコで人気の世界遺産「古代都市テオティワカン」が近くにあるので、せっかくなら両方訪れるように計画することをおすすめします。

8. 歴史的建造物の街のシンボル「ケレタロの水道橋」(メキシコ)

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ケレタロの水道橋(Acueducto de Querétaro)は、メキシコのケレタロ州の州都として繁栄したケレタロにあります。
水道橋は世界遺産「ケレタロ歴史的建造物地区」の一部で、他にもサン・アグスティン教会、サン・フランシスコ教会、サンタ・クルス修道院などが構成資産としてあげられます。

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全長1280m、一番高い所で23m、74本の優美なアーチを持つ水道橋はケレタロ観光のハイライトと言えるでしょう。
この街の資産家ウルティア侯爵が水不足で困っている住民をみて、スペインのセゴビア水道橋を思い出し、水道橋を真似て建造させたという逸話が残っています。

ケレタロには「水の箱」と呼ばれる当時使用していた水汲み場が大切に保存されています。
その水の箱に貴重な水を運んだのがケレタロの水道橋で、上水道が整備される1953年頃まで実際に利用されていたそうですよ。

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ケレタロの街は水道橋を含めた景観も素敵ですが、街の建設理念もとても素敵です。
スペイン人と先住民が平等に暮らすことを理念として都市計画が進み、両者が繁栄を分かち合ったという稀少な植民都市として発展したそうです。

そんな素敵な街に行ってみたくなりますよね。

9. 未だ現役で稼働する要塞都市の水道橋「アモレイラ水道橋」(ポルトガル)

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アモレイラ水道橋(Aqueduto da Amoreira)は、エルヴァスの街はポルトガルのアレンテージョ地方にあり、スペインの国境から12kmしか離れていません。
水道橋は世界遺産「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」の構成資産のひとつで、その名前からわかる通り、エルヴァスの要塞都市に水を引くために建設されました。

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全長7.5km、最も高いところの高度31m、アーチの数843個、4段重ねのアーチ構造と、イベリア半島で最も長い現存する水道橋なんです。
しかも、水道橋の世界遺産としては珍しく、未だ現役

「アモレイラ」は水源となっている泉の名前で、建設には100年以上もの時間がかかったそうです。

一度は行ってみたい!水道橋の世界遺産9選 まとめ

さて、水道橋の世界遺産、いかがだったでしょうか?

ヨーロッパ(なかでも特に南欧)とメキシコに集中していましたね。

そして、ローマ時代に造られた水道橋、または、その技術に学んだ水道橋の世界遺産が多かったです。

きれいで豊かな水をふんだんに使うことこそ贅沢」とされていた古代ローマ文化。
平和を長く保つ方法は、ローマ帝国のどの都でも変わらない快適な暮らしを提供すること。
そのために何より大切なのは、きれいな水の確保でした。
それは同時に疫病の蔓延を防ぎ、「ローマの平和」を維持することに貢献し、今日まで残る水道橋を築き上げたんだ、と思いを馳せることのできる水道橋って素晴らしい施設だなと感じました。

世界遺産に登録された水道橋、みなさんもぜひ一度見に行ってみませんか?
きっとその水道橋に込められた思いに感動すると思いますよ。

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世界遺産を求めて旅する世界遺産トラベラーTRIPLER「AKIRA」

世界遺産を求めて旅する世界遺産トラベラーTRIPLER「AKIRA」

旺盛な好奇心で、どこでも行き、何でもチャレンジしちゃうWEB系プロジェクトマネージャー。

旅行に求めるものは、刺激と世界遺産と美味しいもの。大学の卒業旅行でロンドンに行ってから、トータルで30か国以上の海外経験を持つ。行ったことのない大陸は残すところ南極大陸のみ!

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