秋田の山の中に住む大学生。普段は勉強で忙しくしてますが、時々旅に出ます!
大学ではリベラルアーツを勉強していて、とくにエコツーリズムと文化人類学のお話が好き。旅先でも、よくエコツアーや秘境に惹かれます。
大好きなものは、竿燈と黄色とお洒落。
TRIPLERでは、一人旅の魅力をたくさん発信していけたらと思います。
こんにちは!今回は、私の一人旅人生の原点である「スペイン・サンティアゴ巡礼」を紹介します。
40日間、徒歩でスペインを横断した経験から学んだこと、そしてミニマリストバックパッカーとして旅する楽しさをお伝えします!
この記事の目次
サンティアゴ巡礼とは?
スペイン北西部に、Santiago de Compostela (サンティアゴデコンポステーラ)という大聖堂があります。
ここにはイエスの弟子で、スペインで布教活動に取り組んだ聖ヤコブの墓があると言われています。巡礼者は、ここを目指して、巡礼路にある黄色い矢印👉を辿りながら何日も歩きます。
写真は、登山中に見つけた矢印で、標高1000mほどの場所です。奥の方にある白いのは雲海で、こんな風景を見るたびに歩くモチベーションになっていました。
ちなみに、「コンポステーラ」とは、「星の野原」という意味。これは、ヤコブのお墓が、星の光に導かれた羊飼いによって発見されたことからきています。巡礼路は光の少ない田舎の村を通るので、もちろん夜には満天の星空を楽しむことができます。
特別にキリスト教を信仰していたわけではありませんが、
「🌟黄色の道を辿って星の野原を目指す旅🌟」って、とにかく黄色が大好きで七夕生まれの私にとっては最っ高の浪漫で、
そして 1か月以上交通手段を一切使わないバックパッカーってめちゃめちゃカッコイイ!!!!!!!!!! という理由で、巡礼に挑戦してきました!
「歩いてスペイン横断」ってどういうこと!?!?
サンティアゴ巡礼には様々なルートがありますが、その中でも一番有名な「フランス人の道🇫🇷」の全行程を歩くと、スペインを横断したことになります。スペイン・フランス国境の町である「サンジャンピエドポー」から、大西洋を望む「フィステーラ」というところまでを指します。
私の場合、1日30kmほど歩き、40日かかりました!このルートはスペイン北部の田舎の村々を通るので、大きな街にはあまり見られない伝統文化や自然を満喫することができます!
街中を歩く日もあれば、なーんにもない野原をひたすら歩く日、はたまたガチ登山の日もあり、スペインのいろんな風景を堪能することができます。
必要な費用について
「フランス人の道」に挑戦する場合、
ざっくり25万円でした!
これには日本からの往復航空券(約15万円)も含まれているので、実際巡礼中に使ったお金は10万円ほどになります。
アルベルゲは一泊10ユーロ(約1300円)以下、自炊中心を心がけて、1日2500円以下の生活をしていた計算になります。
全行程を徒歩で行けばもちろん交通費はゼロになるので、ヨーロッパでもこのくらい安く旅ができるんです。
そして驚くべきなのが、毎日お酒を飲んでこの値段ということ。
巡礼中には、リオハ、バスク、アラゴンなど、有名なワインの産地を通ります。
費用を抑えながらも、しっかり食文化を楽しむことができますよ!!
持ち物・おすすめパッキング方法を紹介!
こちらが、私が持って行ったもの一覧です!衣類は機能性重視のトレッキング用品がおすすめ!
私は冬の時期に行ったので防寒具もバッチリ用意していきましたよ
荷物を最低限に抑えるため、無くても生きていけるようなもの(化粧品やパソコンなど)は入れませんでした
そして毎日移動するので、毎朝パパッとパッキングする必要があります。ここで、私なりのパッキングテクニックを紹介します!
ちなみに、バックパックは、Gregoryのデイアンドハーフパック(33L)を愛用しています。旅行者の間では40L~50Lを持っている人が多く、よく「小さっ!」と言われますが、「折り畳み、圧縮、小分け」を徹底すれば十分な大きさです。
巡礼者の1日
巡礼生活は、非日常でありながらとってもシンプルな生活。必要最低限の荷物を担ぎながらの移動生活は、超健康的!
歩いて食べて飲んで寝て…を続けてみた
巡礼中の1日のスケジュールは、ざっとこんな感じです!
毎日歩き続けなければならないので、自分の体に気を遣うようになり、間違いなく自己管理能力がアップします。
そして早寝早起きの生活なので、健康には最高で、しかも歩いたあとにはたくさん食べるので、体ムキムキ💪になります。帰国後、体重を測ったら、筋肉で増量していたぐらいです!
食事については、朝食と昼食は前日に調達したチーズ、ハム、バゲットで作るサンドウィッチ(ボカディージョ)が主流。
夕食も他の巡礼者と一緒にスーパーに買い出しに行き、それぞれの国の料理を自炊でシェアしていました!
アルベルゲ(巡礼宿)に泊まろう!
巡礼路には、5~10kmおきに小さな村があり、そこに「アルベルゲ」と呼ばれる巡礼者用のホステルのような宿泊施設があります。
値段は、だいたい5ユーロ~10ユーロのところが多いですが、伝統的な宿では昔のように寄付制で経営しているところもあります。部屋はみんな一緒のドミトリー形式、ほとんどの場合布団は用意されていないので自前の寝袋を持参します。
行ってよかった!私が巡礼で学んだこと・ベスト3!
ひたすら歩くというシンプルな生活だからこそ、人とのコミュニケーションや日々の食事など、生活の基本を考える機会になった気がします。思いがけないハプニングや困難から学ぶことも多くありました。
BEST3: 英語力が伸びる!
世界中から巡礼者が集まるので、巡礼者たちの中の公用語は英語です。わたしが行った時は、地元のスペイン人よりも他の欧州圏やアジアからの巡礼者が多かったです。
普通の海外旅行なら、外国語が話せなくてもジェスチャーでなんとかなってしまうことも多いですが、巡礼中はとにかく人とおしゃべりする時間が増えます。
さすがに毎日何時間も一人で歩くのは辛すぎるので、必ず誰か話し相手が欲しくなる、そして毎日おしゃべりしているうちに、「アレ、自分こんなに英語でコミュニケーションとれるんだ… 」という感じになったのが実感できました!
BEST2: 精神力!
40日間も歩き続ける巡礼生活、心身ともにめっちゃストイックになりました!
必要最低限の荷物で質素な貧乏生活を続けると、次第に、普段の自分の生活について見直すようになります。
私の場合、それは「ミニマリストを目指すこと」でした!もともと洋服やお洒落が大好きで、かなりの物に囲まれた生活をしていたのですが、 1か月以上スッピン、Tシャツ2枚を着回す生活に慣れてしまうと、もう「ファンシーな服なんて無くても人生楽しいかもしれない!必要以上のものを持つのはやめよう」と考えるようになりました。
・いざ到着してみると目的地としていた宿が開いておらず、次の村までさらに歩かなければいけなくなった、
・1日頑張って歩いたのに、スーパーもレストランも無い田舎村にたどり着いてしまった、
・登山中、突然の大雨、
・足のマメが痛すぎる、
・洗濯機が無い宿では、極寒の屋外で手洗いの洗濯、
・かと思えば、日中歩けば熱中症になり救急車で運ばれる、、、
などなど、自己管理がいかに大切かを思い知らされる出来事も経験しました。
治安に関しては概して安全な場所がほとんどですが、どんなに情報を得ていても天候や自然の力には太刀打ちできないことを身をもって学びました!まさに根性を叩き直したい人にはオススメです!
BEST1: 世界中にお友達ができる!
サンティアゴ巡礼の一番の魅力は、お友達作りだと思っています。
一人旅って、宿でたまたま一緒になった人と一緒に過ごして仲良くなって、でも数日後にはお別れ… なんてことが良くあると思いますが、巡礼中にできるお友達とはもっともっと仲が深まります!
スペインはもちろんのこと、世界中から旅人が集まる場所です。みんな同じ道を歩くので、一回お別れしてもどこかでまた再会する確率がとても高く、いわば集団で移動しながら合宿をしているような感じです。
つまらないジョークや下ネタから、人生について、国際政治についてまで、とにかく語り明かしたことが、どんな有名な観光地に行くよりもプライスレスな経験だったように思います。
まとめ
サンティアゴ巡礼は、国籍も年齢もバラバラな人たちと出会える経験です!
地元の人とゆっくり会話したりスーパーで買い物をするというような経験を重ねるうちに、いつの間にか旅行であることを忘れ、その地に住んでいるような感覚を覚えます。
巡礼中に出会った人たちとは帰国して数年経った今でも連絡を取り続ける仲。田舎道ををひたすら歩いたからこそ、より人とのつながりを大切にできた気がします!
そして、もともと巡礼文化は今日のようなレジャーやツーリズムを目的としたものではなく、古くから敬虔なキリスト教徒たちが命がけで歩く文化でした。性能の良いトレッキング用品やバックパックが無かった時代から受け継がれています。
特に「フランス人の道」はあまり開拓されていない北部の田舎の村々を通っており、正直地味で何もない場所もあります。そんな場所にこそ現代まで伝わる伝統文化や方言が残っていたりして、なかなか奥深い旅です。
そして、ゴール地点にたどり着くと、こんな巡礼証明書をゲットできます!!
「新しいことをしたい」「何かに挑戦したい」「腐った根性を叩き直したい!」「面白い友達が欲しい!」… 目的はなんでもOK!
サンティアゴ巡礼、間違いなく素敵な人生経験になります!ぜひぜひ、挑戦してみてください!
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