30代でのオーストラリア留学&8年滞在の後、インドで暮らして日本へ帰国。現在、通訳をメインに仕事をする日々。「恋した国には住んでみる」と決めているので、心の中ではいつも次に住む国を考えている。⇒プロフィールの詳細はこちら
ピンクシティと呼ばれるジャイプールへの旅。
前回はデリーからジャイプールまでの列車の旅とピンク色に彩られた街のお話でした。
今回はそのジャイプール旅の続き
憧れの「お姫様気分を味わいたかった体験」を紹介します。
この記事の目次
丘の上のゴージャスな宮殿「アンベール城」
ジャイプールの北東に10㎞ほど行くと、丘の上にアンベール城と呼ばれるキラキラでゴージャスな宮殿があります。
ここで象に乗って宮殿へというのが私たちの今回の旅の目的のひとつでした。
インドの民族衣装を着て優雅に象に揺られる、それが夢だったのです。
アンベール城とは
ラージブートのマハラジャが建てたアンベール城は、世界遺産に登録されている「ラジャスターン州の丘陵要塞群」の中に含まれているお城です。
小高い丘の上に築かれた城塞は荘厳な外観も素敵ですが、中に入ると鮮やかなゴージャスな作りの天井や透し彫り、鏡細工を施した鏡の間などがありうっとりするほどの美しさです。
ラジャスターンらしいラジブート様式とムガル様式と呼ばれる二つの様式が織り混ざった独特の繊細さを醸し出しています。
アンベール城への行き方
アンベール城はジャイプールの市内中心部からオートリキシャで30分ほどです。
私たちはジャイプールについてから同じドライバーさんに頼んでいるので、この日も1日付き合ってもらいました。
お城の見学は1時間ほどかかりますので、その間はドライバーさんは休憩です。
アンベール城までの風景
朝早く、お城に向けて出発です。
インドのお姫様気分を味わうために、現地調達したインドのパンジャビドレス(ひざ下15センチほどの長さのトップスとふわふわのズボン、ストールの3点セット)を着てなりきり準備完了。
象タクシーは9:30から12:00までで、行列ができるそうなので早めに出発することにしました。
朝の穏やかな風景。
インドの人たちはよくこうやって集まっているのですが、なんとなく微笑ましくて私の好きな光景です。
ジャイプールの乾いた埃っぽさと朝の優しい光が混ざって、いい雰囲気です。
だんだん中心地から離れてきました。
太陽が高くなってくると、お城が近づいてきます。
アンベール城のふもとから宮殿まで象タクシーに乗ります。
いよいよ象に乗る!
私たちが到着するともう象タクシーを待つ長い列ができていました。
象タクシーは猛暑の日や、象さんが疲れると休業になることもあるそうです。
また午前中だけなのも、象さんの健康を考えてのことだそうです。
「象さんって大変そう。犬でよかった・・・」
象タクシーの乗り方
行列に並んで、順番が来たらまずは象さんに乗ります。
象タクシーは二人乗りで、柵から足を出すように座ります。
これが私たちが乗った象タクシー。
乗ったら料金(900ルピー)をおじさんに払います。
そして「しっかり」つかまって出発です!
ついにインドで優雅に象に乗る!?
「優雅に象にのってゆらゆらと宮殿まで。ストールが風になびいて気分はすっかりお姫様」
行く前から写真を見ては妄想を膨らませていました。
そんな私たちの妄想は出発から数分後、もろくも崩れ去りました。
この象タクシー、揺れます!
ものすごく揺れます!
細い石畳の坂道を上っていくので、しっかりつかまっていても右へ左へ・前へ後ろへと揺れ続けます。
グラリグラリと、ほぼ一歩ずつ象さんの歩みに合わせて揺れます。
とりあえずシャッターを押し続けた写真はブレブレだったり、自分たちが写っていなかったり、髪の毛ボサボサだったり。
まともな写真のほうがずっと少なかったのですが、
でも写っている私たちは全部笑っていました。
・・・楽しすぎました。
揺らり揺られての眺めは最高で
こんなに素晴らしい景色を見ることができます。
仕事帰りの象さんとすれ違いながら・・・
アンベール城へ到着です!
片道10分ほどのお姫様ごっこが終わりました。
優雅とはほど遠く、若干ジェットコースターの要素も含んでいた象タクシー。
私たちの想像とは違っていたけれど、とっても楽しい体験でした。
アンベール城に到着
ゲート
まず目に飛び込んでくるのがこのガネーシャ門。
王族のプライベートなスペースに続いている門で、「世界一美しい門」といわれています。
精巧なモザイクや透かし窓、ピンク色の優しい色合いのフレスコ画は言葉を失うほどの美しさです。
中庭
ゲートを通ると中庭に。
庭の緑や石が幾何学模様にデザインされています。
鏡の間
中庭に隣接するのが「鏡の間」と呼ばれるディーワーニ・カース。
王族のプライベートな謁見の間だったそうです。
鏡で彩られたモザイク画が天井や壁を覆い尽くしていて、豪華絢爛ため息が出るような美しさです。
すべてがキラキラ・ゴージャス。マハラジャのすごさがわかります。
この鏡の間で、ある位置に立つと鏡に顔が映るという写真の撮り方があるということで、
私たちもやってみました。
鏡の真ん前にいるように見えますが、実は全然違うところに立っています。
どうしてそう映るのか全くわからないのですが、そこがスポットらしく順番待ちの状態になっていました。
ソーハグ・マンディール
風通しが良く暑さをしのぐ作りの「ソーハグ・マンディール」は壁のレリーフがとてもかわいいのです。
受け継がれていく歴史
鏡の間では職人の人たちが細かな作業をしていました。
息が止まるような、ここだけ時間が止まっているような、そんな空気が漂っていました。
人々の努力によって、壮大な歴史の建造物がこの世に存在し続けるのだと実感しました。
お城の上から
お城は頂上まで行くことができます。階段を登り続けると
途中の窓から街並みが見えます。
昔の王族もこうして外を眺めていたのかもしれません。
お城の頂上につきました。
眼下にはジャイプールの街が広がっています。
ナハルガー城へ
アンベール城を後にして、おすすめといわれた「ナハルガー城」へ。
ここは黄色をベースにしたかわいらしい雰囲気の小さなお城です。
壁も天井もかわいい色使いと模様。
絵本にあるような「お姫様のいるお城」
そんな雰囲気いっぱいの場所です。
鮮やかな黄色の壁に象の絵が細かく精巧に描かれていました。
ジャイガー城へ
次はナハルガー城から近い「ジャイガー城」へ。アンベール城ほど有名ではないけれど、行ったほうがいいよとホテルのマダムに言われたお城です。
廃墟?と思うような雰囲気。でも、ちょっと寂しげで煤けている建物が魅力的です。
ゴージャスなお城とはまた違った歴史を感じさせてくれます。
砦からはアンベール城が見えます。
城塞と呼ばれるとおりまるで要塞のように存在するアンベール城。壮大な眺めです。
アノーキ・ミュージアムへ
アノーキとは
アノーキは、ジャイプール発祥のインドで有名なお店です。
ジャイプールでは小さな花柄やペイズリー模様などを版木でスタンプにして、布地に色押しをしていくブロックプリントが有名です。
ここアノーキにはこのブロックプリントの布地でデザインされた、インド木綿の洋服や雑貨がたくさん並んでいます。
アノーキ・ミュージアム
ジャイプールにはアノーキ・ミュージアムがあり、ブロックプリントの制作過程を見ることができます。
版を押して製品を作っている職人技を見たり、体験できたりします。
木型を作る
布地の模様となる木でできたスタンプ。この形を掘って作るのも職人さんです。
版木(スタンプ)の数々。
スタンプを押して色付け
木のスタンプを使って色付けしていきます。
私も体験してみましたが、押す力が弱いとかすれてしまい、でも強くも押し過ぎないようにと調整が難しいです。
やはり職人技です。
お土産にもおすすめ
アノーキには、洋服の他にも、ポーチやバッグ、ベッドカバーなども置いてあります。とっても可愛いものが日本円で500円ぐらいからあるので、お土産にもおすすめです。
こちらが典型的なアノーキのプリント柄。
別の旅行でインドに行った時、友人ふたりがお土産に買ったアノーキのお揃いのバッグです。
ANOHKI
http://www.anokhi.com/
ジャイプール市内へ戻る
きれいなお猿さんと出会う
ジャイプール市内へ戻る途中、リキシャのドライバーさんが自然の猿がいるところに連れて行ってくれました。
静かでほとんど人のいない丘の上に
いました。野生のお猿さんたち。
大きな犬を遠方に追いやって、ベストスポットでくつろいでいます。
向こうをむいて座っているお猿さんx2は、もはやおじさん。
このお猿さんたち、白くてとってもきれいな毛並みなんです。
観光客の人たちがやってくると
来ました!集まって来ました。
この慣れ具合。膝に手を置き手に手を伸ばしてのお菓子のおねだりです。
一番前のお猿さんは「人?」と思うほど、、、立ってます!
かわいいなぁ。撫でたいのを我慢してリキシャに戻りました。
大きな後ろ姿に遭遇
帰り道、リキシャに乗る私たちの視界すべてを遮る巨大な後ろ姿が。
こんな至近距離で象さんの後ろ姿を見たのは初めてです(実際はもっと大きく迫力があります!)
なぜだかわからないけど、ちょっと感動しました。
お城で見た飾りをつけていたので、仕事を終えて帰宅途中のようです。
お疲れ様でした。ありがとう。
翌日はラッシー屋さんへ
翌日はラッシーが美味しいと有名なLASSI WALAへ。
よほど人気なのか、二軒続けてLASSI WALA のお店がありました。
どっち?と迷っている私たちに店のおじさんが「同じ、同じ」と呼びかけてくれて、
ラッシーを注文。
出てきたラッシーです。
陶器のコップに入って出てくるのですが、これは「使い捨て」なのです。
飲み終わったら捨ててもいいし割るのもあり。なので、お店のまわりには割れたかけらがいっぱい落ちています。
さすがに割るのはなんだか気がひけて、友人は回収のリヤカーへ。
ラッシーは絶品でした!インドにきたらぜひ飲んでみてください。
ジャイプールからデリーへ
その日の夕方、帰国の途へ。
帰りはジャイプールからデリーまで国内線を利用しました。
ジャイプールを出発
ピンクの文字が可愛いスパイスジェットに搭乗。
デリーに到着
ジャイプールからデリーまでたった1時間ほどのフライトなのに、デリーの空港に着いたときはサンセットの時間になっていました。
少し切ない夕陽とともに、私たちのジャイプールの旅は終了しました。
まとめ
インドの各地を旅するときに、いつも「これがしたい」「この景色をみたい」という夢があります。
今回は「インドのマハラジャのお姫様のように象にゆられて宮殿まで」というのがその夢でした。
象タクシーはちょっと想定外だったけど、楽しかったことには違いなく煌びやかな宮殿にゴージャスな装飾。
マハラジャ気分を十分味わうことができました。
日常から離れ、悠久の昔に思いを馳せるにはおすすめの旅です。
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