【心臓の弱い人は見ちゃダメ】2大イスラム圏最大のお祭りモロッコの犠牲祭のディープ体験レポ!

こんにちわ。michiです♪

もうすぐ9月!

イスラム教での大きいお祭り イード・アル=アドハー犠牲祭がやって来ます。

ラマダン明けのお祭りと並ぶ2大イスラム圏最大のお祭り 犠牲祭。

「犠牲祭」名前だけ聞くとなんだかすごく怖いヒビキ。。。

何を犠牲にするの? って感じですが、

モロッコの人たちには、みんな待ちに待ってるとっても大きいお祭りです。

去年の犠牲祭はちょうどモロッコにいたので、その流れを肌で感じ体験することができました!

今回は、犠牲祭についてレポートします

注)今回はショッキングな写真も多数あるので、苦手な方は見ないでね!

イード・アル=アドハー犠牲祭ってなに!?

犠牲祭(イード・アル=アドハー)」とは、イスラム教の祝日で、ヒジュラ暦の1210日から4日間にわたって行われます。ちょうどハッジと呼ばれるサウジアラビアのメッカ巡礼の最終日となり、世界中のムスリムはお祭りモード一色です♪

メッカに行けないムスリムは、動物を一匹生贄として捧げます。

犠牲祭についてすごーく簡単に解説するならば、各家庭で羊などの動物をさばいて、お腹一杯お肉を食べる事ができる特別な日です。

またモロッコの人々にとっては、学校や会社、国民のみんなが休む言わば大型連休。遠くで離れて暮らしている人達は、祭の日は家族たちと過ごすために実家に帰ることが多く、バス等は混雑することもあるので、この時期モロッコに旅行に行かれる人は要注意です。

そしてお祭り当日はお店はどこも閉まるので静まり、街の動きが止まります。

ちょっと昔のお正月みたいな雰囲気ですね^^

犠牲祭の由来とは!?

犠牲祭の起源はコーランや旧約聖書までさかのぼります。

犠牲祭というのは、旧約聖書に出て来るアブラハムが、アッラーに息子のイサクを殺して神への捧げ物にできるかと迫った際に、アブラハムとイサクはそれを受け入れささげようとしたところに、「お前の信仰心はよくわかった、代わりに羊をささげなさい」とお告げがあったというお話が由来となっているそうです。

今も神への忠誠心を称えるため、ヒツジやヤギ、牛などの動物を生贄として捧げ神に感謝の気持ちを伝えるためと言われています。モロッコでは羊、山羊が一般的です。

貧しい家庭でもお肉をお腹いっぱい食べられる日

そして決まっているのは、さばいた肉は食べるが決して売ってはいけないこと。

1/3は貧しい人へ。

1/3はご近所や、自分の口には入らないだろうと思われる距離感の親戚へ。

1/3は自分の家族で。 と

3等分することが勧められているそうです。

貧しい家庭でも全ての人が平等にお腹いっぱいお肉を食べられるシステムになっています

犠牲祭・・なんて聞くと何だか怖いイメージだけど、この日は裕福な人も、貧しい人もみーんなが平等にお肉をいただいてお祝いする。なんだかとてもいい文化だなーと思います。

羊の存在を近くに感じる犠牲祭までの数日間

ある日、泊まっていた兄夫婦のマンションの下に 羊がいることに気づきました。

普段は倉庫だったはずの場所には、羊が数匹。

置かれた草をむしゃむしゃ食べる羊を子供たちが、興味津々にのぞいています。

また別の日、兄夫婦の部屋はマンションの最上階だったため、窓の外に共同のベランダがあるのですが、ある朝起きると、、なんか聞こえる。。

窓の外に羊がいましたw(笑)

どうやら下の階に住んでいる住人が連れてきた羊さん。

確実に日に日に、街に羊が少しずつ増えていきます

私も体験するまで、犠牲祭とはなんなのか、いまいちよく分からずのままだったのですが、1~2週間前ほどから街の様子が変わっていくはとても面白かったです。

数日前になると本当に街のいたるところにいるんです!羊!!

貧しい家庭でも、頑張って1年貯金してでも羊を買うと言われているくらいなので、犠牲祭にかけるモロッコ人の意気込みは半端ないはずです。多分。

より大きい羊を買えるようにみんなちょっぴり見栄をはったりするそうですねw

活気あふれる羊売りの会場に行ってみて分かったこと

ある日、親戚の家の羊を買いにいくのに同行しました。

この時期は、羊のマーケットがいたるところでオープンしてるようです

到着したのは、とにかく広~い運動場みたいな場所で、たくさんの人と羊がいます。

数メートルおきにトラックが止まっていて、どうやらここはたくさんの羊屋さんが集まって売買してる臨時の羊市場のようでした。

活気ある声がいたるところで響きます。

多分

「うちの羊はいいよ」

「安いよ!!」

「見ていって~」みたいなことを言っているんだろうなーって感じの活気あるざわつき。

おじさんちの羊探し。

羊の見定めが始まります。

とにかくたくさん羊屋さんがいるので、とりあえず、歩いてざっくり見定め。

何件かのお店を渡り歩いて交渉して、立派な羊を1匹お買い上げしました!

買った羊は、車に乗せて家まで運びます。

んー。普通の車のトランクに羊。

なんだかシュールです。ですがいたるところで同じような光景を目にします。

*ちなみに私、羊と山羊の違いがいまいち分からないので、、もしかした山羊なのかも!?

事件発生!羊の大逃走!!

家に到着して広めの庭に羊を離したのですが、、しばらくして 羊、垣根の小さな隙間から大逃走しました!!

大人の男性が数人がかりで追いかけます。

「待てーーーー」「羊が逃げたー 捕まえてーーー」みたいなことを言ってるんだろうなと想像できる、ご近所さんも交えての、大騒ぎの捕獲作戦。

数分後、息を切らせた男性たちと捕まえられた羊 無事帰宅

大騒ぎだったけど正直ちょっとコントみたいで面白かったです。

きっとモロッコ国内、同じような逃走劇はここだけじゃないはず

捕まえた羊は、今度は逃げないように、しっかり紐で繋がれます。

しかし、今度は歩きたくない と全力で抵抗する羊さん。。

意思表現が人間みたいで、自分のこれからの運命を感じ逃走したのではとか思うとちょっと複雑な気持ち。。

この後、抱えられてご近所さんと共同の羊小屋に繋がれました。

我が家の羊を探しにいきました!

さて、我が家も羊をお出迎えする時がやってきので、シャウエンの街から少し車で走った郊外の羊飼いのおじさんのところへ伺いました。

毎年ここで買ってるのかな って感じがしたので、行きつけの羊屋って感じかな

広い牧場で牛や羊たちが放牧されていました。

数匹ある羊の中から見定めします。

あれがいい、これがいい としばらく協議した結果

2匹の羊さんお買いあげです。んー、これは山羊かな?

選ばれし我が家の羊と パシャり。

家に来た羊は、犠牲祭までの数日間、飼ってる鶏と一緒に庭に繋がれます

おそらく各家庭 どこかしらに確保してるはずで餌をやってしばらく飼ってる感じです。

犠牲祭直前は、羊も高騰して高くなるらしいし、大きめのお買い得な羊は売れちゃうから買い時も大事なのかな??

お祭りまでの数日間は駆け込みセール的に、街のいたるところは羊とその餌の草だらけ!

羊が理由で渋滞なってました(笑)

日に日に街に羊が多くなるのを実感できるので本当に面白かったです。

ちなみに私が聞いた羊たちはみな「ゲヘぇえええええ」「グヘェェ」って鳴きます。

メーなんてかわいいもんじゃないです。

羊だったのか、山羊なのかも違いがよく分かりませんがw

いよいよイード!犠牲祭当日の我が家での日常とは

朝から 解体作業が始まります

どこの家庭でも解体作業はだいたいモスクに行った後の午前中のようです

解体現場家によっては、ベランダだったり玄関だったりするようですが、我が家は庭先でした。

だいたい家の男性が捌く役割みたいですが、専門で捌いてくれるプロの人もいるようです。

ハラールのお肉とは

イスラム教では動物を屠るやり方が決められています。

そしてそれはhalalハラール(許された) 肉となります。

日本でもここ最近はよく聞くようになった「ハラール」という単語。

単に豚入ってないよーって意味ではなく、本来は、イスラムによって許された食べ物という意味です。

以前ネットニュースで韓国で観光客寄せのためにハラール偽造の屋台が多数と見ましたが、、

こんなの言語道断。あまりにひどいのでハラール偽造は本当にやめて欲しいです。。。

羊を捌く手順

まず、羊を地面に横たえ、
” bismillarh allah-u-akbar 
ビス ミッラー アッラーフ アクバル ( アッラーの御名において ) ”
と、唱えながら、頚動脈を 鋭く切れるナイフで一度で切断し、血を抜きます。

羊には恐怖や苦しみを 感じさせずに屠ります。
だからナイフも見せないように 後ろからそっと近づくし、もし一度で息を止められなかった場合、
それはハラールではなくなるそうです。

とは言え、血を流し足をバタつかせ死んで行くので、心が痛みます。。

羊が暴れたり、もっと大変な現場を想像していましたが、思ったよりあっという間の出来事でした。

もちろんたくさん血が流れるので、、なかなか生々しいですが、すぐに水で洗い流され、静かに ことが進みます。

旦那曰く、イスラムでの動物の屠る方法は、動物は苦しまず、幸せにアッッラーの元へ行けるそうです

続いて、皮をきれいに剥いで行きます。

綺麗に皮を剥いで、内臓をきれいに取り除き2匹の羊はあっと今に肉の塊に。。

絶品!捌きたての羊肉料理!

羊が捌かれた当日は、まずは内臓のバーベキューからスタートです。

お肉そのものは、捌いた直後よりもある程度時間を置いてからの方がおいしいので、食べるのは夜になってからか、部分によっては翌日からだそう

庭で炭焼きのバーベーキュースタイルで焼いていきます。

近所のちびっこがずっと作業してるのを見ています

そして食卓へ!

羊って少し癖があるイメージでしたが、新鮮なため本当になんの癖もなく美味しかったです。

レバーとオリーブの炒め物 美味しかった。

食事の後は肉の塊を各部位ずつ切り分けて行きます。

この作業は家の中ってのが驚きですね(笑)

骨の太い箇所もあるのでナイフとノコギリを使ってのなかなかの大仕事。

これだけのお肉があると、数ヶ月は肉に困らないですね!

数日間は、いろんな調理方法でこれでもかというほどの肉料理が出されます。

モロッコの家庭には(多分どこの家庭も)冷蔵庫とは別に大容量の大きい冷凍庫があるので、食べきれない小分けにしたお肉は冷凍保存され、今後の食宅に並びます。

「イード・ムバラク」と挨拶しながら歩く街の様子

食事後は、旦那はんについて近所の親戚周りをしました。

「イード・ムバラク(Eid Mubarak)」祝祭おめでとう と声を掛け合います

親戚の家では、羊の解体真っ最中でした。

どこの家庭も、先ほど家で見たように、男性が鋭いナイフを持ち羊をさばいています。

その後、街を歩いてみると、数軒の家先で女性や子供が内臓を洗っていました。

洗面器の中に内臓入ってます。ちゃんと役割分担があるんですね。

多分我が家でも、見てないところでママが洗っていたんだと思います。

モロッコ人の妻としては、私にもいつかそんな日が来るのでしょうか。(汗)

犠牲祭当日のシャウエンの様子

シャウエンのメディナの中でも、解体作業は行われてました。

いつもは活気のあるメディナの中も、お祭り当日はどこも閉まっているの本当に静かです。

そんなシャウエンはある意味とても貴重な気がします。

若者たちが道端で作業しています。それを見守る子供達。

突然、道端に羊の頭が置いてあったりするので、ドキッとします

目が、、合う。。

かわいい女の子が、内臓や毛皮を持って走り周っていたのが印象的にです。

もしも子供ができてモロッコで子育てしたら、子供が羊の頭持って走り回るのかもしれないと一瞬頭をよぎったのも事実です(笑

白いワンピースが血まみれだよ、お嬢ちゃん。

思わずワイルド~と呟いてしまいましたが、ここに住んでる子達にとってはごく当たり前のことなんですよね。

環境や文化が違うのは当たり前ですが、素直にたくましいなと思いました。

頭、、焼いてます。

ちなみにモロッコでは羊の脳みそは高級食材なため、そうそう食べれるものではありません。

お肉はもちろん、内臓も脳みそも全て余すところなく美味しくいただく。

食べれない毛皮は絨毯になり、本当に余すことなく綺麗に使用されます。

食べられる為に生まれてきた家畜は食べてやらねば可哀想だ。という考え方

一見、目を背けたくなるような衝撃もあるショッキングなお祭りですが、命を感じられるからこそ無駄にしない。

それがよく伝わりました。

日本人にはなかなか慣れない習慣ですが、

私たちが普段口にしている肉も、見えないところで同じように屠殺されているのも事実です。

生きているものを食べるために屠ることは ごく当たり前の光景なのですよね。

お肉をいただくのは 命をいただくことって、パックに入ったお肉を買う生活では忘れがちです。

小さいころから当たり前にこの光景を見ている子供たちにとっては、「どうやって牛や羊などが自分の口の中に入るのか?」自然の摂理や、生命感を考えるのには残酷だけれどもとてもストレートな食育な気がします

いろんなことを考え、感じた一日でした。

2年前の犠牲祭は、、

結婚した年の犠牲祭の前に

「もうすぐ犠牲祭だから私たちの羊のお金をモロッコに送らなければならない」って言われて

「はい!??何?羊代って?」って話したのをよく覚えています

その時は犠牲祭がなんだかも分かってなかったので、

日本に住んでいるのになんで送らないといけないの?と色々質問しました^^;

モロッコ人にとってというか、旦那はんにとっては、羊を買うのは義務で仕方なくではなく、本人の意思。

むしろどうやら犠牲祭に羊を捧げないという選択肢はないようです。

なので今年も羊のお金、送りましたよ。

日本では絶対ないであろう出費ですね笑

まとめ

どうでしたか?

今回は去年体験したイード・アル・アドハー(犠牲祭)をレポートしました。

そんなお祭りが今年ももうすぐやってきます!

2017年は9月1日(金)から9月4日(月)頃までは,イスラム教の犠牲祭に当たります

そろそろ街に羊が増え、賑やかになってるはずです

この時期にモロッコやイスラム圏の国にいる方は、モスクや親しくなった現地の人のお家に訪問させてもらうと、美味しいお肉のご馳走が食べれるかもですね^^

犠牲祭を当事者たちと過ごすことは、発見が多く、興味深いものだと思います。

(all photo by MICHIcamera)

 

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